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Les Cygnes et les Corbeaux
ブックレット対訳

"J'ai adapte le mouvement des cygnes et des corbeaux a celui du Kosmos.
Tout au moins ce que j'en percois."

 「私は、白鳥・鴉の動きを大宇宙(Kosmos)の運行に一致させました。
少なくとも私に知覚できる限りにおいて。」

Christian Vander
6 mars 2002 Nuit

(SEVENTH RECORDS 公式サイトに掲載された言葉)

 

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 (各曲のサブタイトル)

<プロローグ>

01.深淵からの歌声
−儀式の歌

02.Sahiss Siiaahtの呪文
−地の主 Sahiss Siiaaht、風にメッセージを伝う

<召集>

03.
−風
−前進しながら
−修道女達

04.風に向かって進みながら
−風に向かって進みながら
−修道女達は踊る

05.鶺鴒(たねまきどり)北へ向かう
−鶺鴒は北へ向かう
−白鳥と鴉

06.鶺鴒(たねまきどり)西へ向かう
−鶺鴒は西へ向かう
−白鳥、鴉、鳥達
−弔いの鐘

07.鶺鴒(たねまきどり)南へ向かう
−鶺鴒は南へ向かう
−白鳥、鴉、飛び交う鳥達
−弔いの鐘と歌

08.広大無辺の空
−広大無辺の空・・・飛び交う鳥達
−静寂の中、夜
−弔いの鐘、歌、そして祈り

09.白鳥と鴉の到着
−全ての鳥の到着

10.風と黒雲のような鳥の群

11.鶺鴒(たねまきどり)東へ向かう
−鶺鴒は東へ向かう
−鶺鴒の歌

12.風消える

<鳥>

13.褐色の鳥達
−褐色の鳥と嵐の鳥達(海燕)、メッセージを告げる鳥達
−青い鳥と海鳥達、湖の鳥達

14.いきり立つ鳥達 1
−いきり立つ鳥達と薄紫色の鳥
−青い鳥と海鳥達、湖の鳥達

15.いきり立つ鳥達 2
−いきり立つ鳥達と太陽の鳥達
−青い鳥と海鳥達、湖の鳥達
−黒い鳥と灰色の鳥達
−白い鳥達と青緑の鳥達
−奈落の底から来た鳥達

16.いきり立つ鳥達 3
−いきり立つ鳥達、太陽の鳥達、そして死んだ鳥達の魂。
−青い鳥と海鳥達・湖の鳥達
−黒い鳥、灰色の鳥達、そして死んだ鳥達の魂
−白い鳥たち、青緑の鳥達、そして死んだ鳥達の魂
−奈落の底から来た鳥達、燐光を発する鳥達、そして死んだ鳥達の魂

17.いきり立つ鳥達 4
−いきり立つ鳥達、太陽の鳥達、そして死んだ鳥達の魂。
−青い鳥と海鳥達・湖の鳥達、そして死んだ鳥達の魂
−黒い鳥、灰色の鳥達、そして死んだ鳥達の魂
−白い鳥達、青緑の鳥達、そして死んだ鳥達の魂
−奈落の底から来た鳥達、燐光を発する鳥達、
−死んだ鳥達の魂と時間を遡ってやって来た鳥

18.いきり立つ鳥達 5
−いきり立つ鳥達と緋色の鳥達。
−青い鳥と海鳥達・湖の鳥達、そして死んだ鳥達の魂
−黒い鳥、青い鳥、そして死んだ鳥達の魂
−白い鳥達、青い鳥、そして死んだ鳥達の魂に別れを告げる歌

19.私の鳥は最後の旅に飛び立って行った

20.白い鳥達と青い鳥
−白い鳥達と青い鳥
−奈落の底から来た鳥達
−調和、全ての鳥達の

21.避けられない運命に向かって
−避けられない運命に向かって
−成就

22.鳥の王を呼ぶ唯一無二の歌 1

23.運命の歌

24.鳥の王を呼ぶ唯一無二の歌 2
−鳥の王を呼ぶ唯一無二の歌
−鳥の王はやがて歌う
−全ての鳥達は一瞬で死に絶える

<エピローグ>

25.安息
−EWELESS L'I IN

26.遺言の歌
−地の主SAHISS SIIAAHT

27.深淵からの歌声
−儀式の歌

 

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08.Le Ciel de l'Ocean の歌詞)

 

夜の闇に瞬くひとつの光のその奥深く
無数の影が姿を隠し音も立てずに忍び寄る
夜の翼に運ばれて
影達は忘却の空へ向かって流れていく
夜に向かって・・・夜に向かって・・・

広大無辺の空が開けた
全ての鳥達の中に光が射し込む
大地に影落とす、大地に影落とす黒雲に運ばれて
鳥達は歌うだろう、鳥の王のために、空に向けて、空に向けて
大地から、空に向けて・・・
空に向けて大地から!

 

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 (ブックレット掲載のストーリー)

白鳥と鴉

別時空に属するドラマ

 

地殻のその下のある場所で、地の主 SAHISS SiIAAHT は呪文を唱える。

厳かな振動をたたえたその音は上昇しやがて地表に達する、
運命を背負った究極のメッセージを風に解放しながら。
そのメッセージは惑星の空を果てから果てまで飛び回り
全ての鳥達にその内容を伝えることになるだろう、
世界にただ一羽の鳥の王を呼び出す時が来たことを。

 そのためには、全ての鳥達が集まって、自分達の歌をひとつに調和させる必要がある。
そしてもはやひとつの音しか発せられなくなった時、
鳥達は鳥の王に祈願するために蒼天を向くことができるのだ。

風はその通りメッセージを伝える・・・

選ばれたところは樹齢千年の森の真ん中にある広々と開けた場所、
森はとても高い山々に囲まれていて、その頂上は
天の高みにとけ込んでいるように見える。

その真ん中に鶺鴒(たねまきどり)がいる。
鶺鴒は休むことなく穀物の種を播き続け鳥達を留めておくだろう。

 湖の近く、ふたりの修道女が踊る、
見慣れぬバレーに拍子を付けるごとく、
マズルカのリズムに合わせ。

疲れることを知らず、風は自らの探索を続ける・・・

音もなく、白鳥と鴉が近づく・・・

夜の鳥達はこの大きな宴に参加するためにやって来て海の上を幾度も幾度も旋回する。
"ウー・・・ウー!"鳥達は叫ぶ。

 鶺鴒(たねまきどり)が時間の実を摘む、摘むその間中。

その場所は次第に明るくなっていく、幽玄なる光景を顕わしながら・・・

 そして修道女達は踊る・・・鶺鴒と入れ替わり立ち替わり、
強迫観念がしつこくつきまとう・・・

鶺鴒(たねまきどり)が最後の種を播く・・・

 が消える。

 突然鳥達はそこに現れる。

 至るところに集まっては自分の声を聞かせるために狂ったように啼きわめく、
ついには声が出なくなるまで。
百万羽ずつの群になって ! 
我慢できず、叫び、跳ね回り、あちこち飛び交い、
地面を踏み鳴らし、大地と空を打ち鳴らし、自慢の喉をひけらかす・・・

それは一時耳が聞こえなくなるほどの大騒ぎ、現実離れした光景である!
鳥達の色合いは、より一層鮮やかに、朝日を浴びて輝く。

 その時無調の交響曲が螺旋を描きながら現れ、
たくさんの穏やかなメロディと猛り狂うメロディーが交差し、
ぶつかり合い、しのぎを削る!

しかしここに褐色の鳥が、海燕達(嵐の鳥達)、メッセージを告げる鳥達と一緒にやって来て・・・

遠くでは青い鳥の歌が響きわたり、湖と海の鳥達がそれに和して歌う。
その特徴的な歌い方は水の世界から霊感を受けたもの。
 

その合唱は出し抜けに遮られる!
いきり立つ鳥達、すなわち論争好きの鳥達が、砂漠の鳥達に混じって、
叫び声と羽毛と炸裂する音の乱雑な堆積の中で戦わす口論によって。

新たに青い鳥の歌が聞こえる・・・

そしてここに、黒い鳥が平原の鳥達・森の鳥達と一緒に死にものぐるいのメロディーを歌い始める。

その時、ピーピーと声の限り泣き叫ぶ白い鳥の大群が雲霞のごとく現れる。
この鳥達は大きな国について語り、その目は太陽の光を浴びてきらきら輝いている!

深淵より鳥達がわき上がってくる、原始の時より時代を遡って、奈落の底で燐光を放つ鳥達の傍らから。

 新たにいきり立つ鳥達の到来。

 それが幾度も幾度も繰り返され・・・
この果てしないとも思われるサイクルを横切って、
既に死に絶えた鳥達の魂の歌が空に立ち昇る。

それは同時に鳥達の意識でもある。

 その優美さに触れ、鳥達の叫び声はぼやけてしまう・・・

 新たに訪れた静寂の中から今、光り輝く歌が生を受けた。
・・・現象を越えた別のもの・・・その存在を知りそしてそこに至りたいと願う全ての鳥達、
その歌はその願いの内奥に潜む本質を描き出した。

ひとつの朗吟歌が鳥達自身の心の中のたぎりを今一度遮り、
それは避けることのできない危険を鳥達に告げるかのよう・・・

しかし、輝きの歌は再び到来し・・・

 鳥の王が現れた。

鳥の王は巨大な樹の一本の枝に止まり・・・
恐るべき沈黙がその回りを包んで・・・

その爛々と輝く目は沈み行く太陽を射抜くように見据える。

嘴が開きかかり・・・
鳥の王は歌わんとする・・・

息が流れ出し・・・

 高調波が振動を始め、まさにひとつの音を形作らんとして・・・

しかしその時既に全てが雷に撃たれたような衝撃を受け、鳥達は永眠する。
鳥達の鼓膜・・・そして魂は耐えることができなかった。

 鳥達は至上のメッセージを聞くことはないだろう。

 * *

愛が足りない。
愛がこの作品の根底にあり、愛無くして我々と現実の関わりをこの作品に聞くことはできない。

 *

 深淵のさらにその奥深く理念(イデ)は紡がれる・・・
心に内在する光に向けて開かれた。

 

クリスチャン・ヴァンデル
2002年2月23日 23時17分

 

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(ジャケットの引用)

 

 

「ああ、我が頭上に広がる空よ、

純粋なる空、どこまでも深き空よ!

底知れぬ光の淵よ!

汝を想うと
崇高なる望みに我が身は打ち震える。

汝の高みに我が身を投げ出すこと
それこそが我が心の底からの望み!

汝の純粋さにありて我が身を守ること
それこそが我が愚かさなり!」

 

ゾロアスター